『自分自身への審問』(辺見庸著;角川書店)
相変わらず,重い。
特に今回は,脳出血で倒れた後,そしてがんの手術を受けた時期に書かれたもので,書名のとおり,著者自身の内面を描く部分が多いため,さらに重さを増す。ただ,そのおかげで著者のバックグラウンドが少しつかめるように思う。
相変わらず,未消化。
見る見られるの関係,資本主義への批判,資本主義を守る偽善への批判,ひとつひとつが自分の物の見方をゆさぶる。
無意識に防御してしまうのか,深く読み込まずに読み進んでしまっているのかもしれない。
加藤万里氏の解説が著者の論理展開をうまく整理してくれているので,これを読んだ今,もう一度読み返せば,もっと理解できるのかもしれないが・・・もっと元気のあるときに。
#解説の重要さを痛感。