6畳の図書室

『深紅』

『深紅』(野沢尚著;講談社)


知人に勧められて,しかも本を貸していただいたので,最優先で読んでみた。

大晦日に読み始め,除夜の鐘をついて,続きを読んだ。この本で年を越した。
非常に惹きつけられる本であった。

家族を殺された主人公と加害者の娘の出会い。
単純に主人公が加害者の娘に復讐するだけのお話しではなく,逆に温かい心の交流というわけでもない。
主人公の加害者の娘に対する感情の揺れが,「この2人はどうなってしまうのか」という気持ちにさせる。

解説にもある通り,五章構成の中で第一章・第二章のインパクトが強い。
第一章は,幼い主人公が家族の遺体に出会うまで。全体に漂う緊張感と一見無駄なような細かな描写。しかし,この細かな描写があとで意味をもつ。
第二章は全編通して,加害者の上申書。ここで事件の全体像が読者に提示される。
大人になった主人公が出てくるのは第三章から,加害者の娘が出てくるのは第四章になってやっと。
大胆な構成のようにも思うが,やはりこれがよいのだろう。
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by h-asa78 | 2012-01-01 23:33 |
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読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。
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