6畳の図書室

『教育社会の設計』

『教育社会の設計』(矢野眞和著;東京大学出版会)
教育を考える上で必要な,さまざまな視点が提示されている本。
さまざまなデータをもとに論理的に語っていながらも,決して冷たくない議論に好感が持てる。

美しい理念や「思い込み」にとらわれず,学問的な研究成果を踏まえているところ。
社会全体から学校・家庭・企業の中まで,具体的なイメージとともに語られているところ。
そして新書のように読みやすい文章。
高木仁三郎の市民科学のように,市民のための教育学というのがないかと考えたことがあるが,この本は自分のイメージする市民のための教育学に近い。

個別の内容は,自分にとって新鮮なものが多く,何度か読み直さないと消化しきれないが,特に印象に残っていることをいくつか(勝手な要約)。
・日本では,教育学と経済学は分断されてきた。高度経済成長のおかげで,学校を卒業した者の能力不足を問われる機会が少なく,教育が経済学の研究対象になりにくかった。
・教育には投資という面がたしかにある。
・最近は教育に市場主義を持ち込むという形で,教育と経済学が結びつき始めた。ただし,大学はすでに市場化されている。そしてかつて「私学問題」が発生した。これが市場化の失敗。その失敗は補助金という形で解決。この解決策は,国の教育への投資という点で合理的な判断だったと思われる。
・学校教育については「べき」論が多い。しかし,「できる」ことを考えた方が良い。
・学校で学ぶことは,学校を出てから役に立たないと言われるが,本当にそうか?仕事をしていると新たに学ぶ必要がある。その基礎知識は高校の教科書にある。
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by h-asa78 | 2008-09-07 22:16 |
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読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。
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