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6畳の図書室

『フィンランドの理科教育』

『フィンランドの理科教育』(鈴木誠著;明石書店)
話題のフィンランドの教育。この本は,理科にテーマをしぼったもの。
日本との違いとして一番印象に残るのが教師という仕事の位置づけ。
子どもにとって憧れの職業であり,優秀な人材が集まってくる。
制度的にも各学校,各教員の裁量が大きく認められている。
たとえば,教科書の内容は豊富だが,すべてを教えるのではなく,どこを教えるのかは教師の判断にゆだねられる。
#ここを確認してあるところが,単なる教科書の厚さの比較しかしない評論家?との違い。
また,教師も自分で学校を選んで勤務する。
プロフェッショナルとして扱われている感じがする。

また,カリキュラムも体験重視,日常との関連重視など,日本とは少し違う。
#日本でも重視されていないわけではないが,どちらかというと,興味付けや概念獲得のための手段という面が強い気がする。

一部,フィンランドの学習指導要領の日本語訳と日本の学習指導要領の文字数の比較や,フィンランドの教科書(ワークなど別の教材込み)と日本の教科書単体での厚さの比較など,何をやりたいのかわからない章もあるが,全体としては,フィンランドの理科教育の様子を知るのに良い本。
by h-asa78 | 2008-11-24 22:10 |
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読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。

by h-asa78