6畳の図書室

カテゴリ:本( 335 )

『教育論議の作法』

『教育論議の作法』(広田照幸著;時事通信社)
かつて,高木仁三郎の市民科学についての本を読み,また,教育学の勉強をしていたとき,「市民教育学」というのがつくれないかと妄想したことがある。
ある意味,それを実現した本と言えるかもしれない。

「教育をふまじめに語ってみたい」という発想で,教育についての議論で出てくるさまざまな言葉が,教育学の知見をベースにしながら,ひらたく語られている。
一部の人の「想い」に振り回されることも多い教育を,少し引いた視点から,考えるのによい本。

1つ,本書の中で特に広めたい主張。
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今こそ,教員を含めた大人たちが「学校での勉強は役に立つ」ということを,子どもたちに訴えていくことが必要なのではないでしょうか。
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役に立つ立たないが大事ではない,という意見もあるかもしれないが,少なくとも役に立つことを主張するのは,教育にとってプラスの話。
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by h-asa78 | 2012-02-19 02:06 |

『デジタル教科書のゆくえ』

『デジタル教科書のゆくえ』(西田宗千佳著;TAC出版)

デジタル教科書について,ジャーナリストの視点で取材したもの。
推進する団体,制作する業者,学校現場の様子など,さまざまな立場を取材。
デジタル教科書反対,という立場の取材はないのだが,全面的に反対という主張は稀と考えてよいのだろう。

まったく今まで聞いたことがない,考えたことがない話という感じはしないが,読み終えていくつか思ったことを。
・デジタル教材を使うことが特別なこと,になっているうちは普及しない。
・資料集や問題集,プリント,実物,実験など,これまで「教材」として使われていたものと並列的に位置付けられるようになる必要がある。
・教科書がデジタルデータになって便利,というだけでなく,デジタル教材を使うからできる教育を見つける必要がある。
・実験や実物に劣る画像や動画は,それなりに価値はあってもやはり補助的な扱い。
・キーワードは,共有,学習の履歴,個々の支援,学習者の参加,通信の利用
・iPadのような道具は,iPadを囲んで班で相談するなど,協同学習に活かせることも。このような身体性に関わる部分は,現場にいない人間の想像だけでは思いつきにくい。
・デジタル教材を使うのなら,その前提で指導要領を作り直すことを考える。ただ,具体的なことは「?」。
・学校現場では,子どもへの直接の教育以前に校務のIT化が重要。校務の負担が現場の時間を奪う。

これを読んでいても,学校へのデジタル教材の普及はまだまだ先のこと,という気がする。
今はまだ,試行錯誤の時期。逆に今,試行錯誤しておかなければ,波に乗り損ねる。
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by h-asa78 | 2012-01-02 00:02 |

『深紅』

『深紅』(野沢尚著;講談社)


知人に勧められて,しかも本を貸していただいたので,最優先で読んでみた。

大晦日に読み始め,除夜の鐘をついて,続きを読んだ。この本で年を越した。
非常に惹きつけられる本であった。

家族を殺された主人公と加害者の娘の出会い。
単純に主人公が加害者の娘に復讐するだけのお話しではなく,逆に温かい心の交流というわけでもない。
主人公の加害者の娘に対する感情の揺れが,「この2人はどうなってしまうのか」という気持ちにさせる。

解説にもある通り,五章構成の中で第一章・第二章のインパクトが強い。
第一章は,幼い主人公が家族の遺体に出会うまで。全体に漂う緊張感と一見無駄なような細かな描写。しかし,この細かな描写があとで意味をもつ。
第二章は全編通して,加害者の上申書。ここで事件の全体像が読者に提示される。
大人になった主人公が出てくるのは第三章から,加害者の娘が出てくるのは第四章になってやっと。
大胆な構成のようにも思うが,やはりこれがよいのだろう。
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by h-asa78 | 2012-01-01 23:33 |

『図解感覚器の進化』

『図解感覚器の進化』(岩堀修明著;講談社)
感覚器について,進化の観点から。
解剖学を専門とする著者の本なので,生物学の教科書にあるような話が少ない一方で,構造についての話が豊富。また,進化の観点からなので,ヒトの感覚器に限らず,さまざまな生物の感覚器について説明がある。
以前,感覚器について調べたときには,感覚器の内部のパーツについては,あまり深追いしていなかったが,この本はそれぞれのパーツの意味・はたらき(そして変遷)にも触れているので,いろいろと納得する部分も多かった。
ただ,事情により熟読というよりも読み流しに近い感じになってしまった。
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by h-asa78 | 2011-01-24 23:48 |

『生物多様性とは何か』

『生物多様性とは何か』(井田徹治著;岩波書店)
生物多様性について,さまざまな事例を挙げて解説。
著者は生物学者ではなくジャーナリストなので,生物学の視点からの話題だけでなく,社会とのつながりなどの視点で書かれている部分も多い。
読みやすい文章だが内容がもりだくさんなので,若干消化不良。
内容を頭に入れるというよりも,さまざまな視点に触れるという感じ。
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by h-asa78 | 2011-01-24 23:40 |

『一冊で読む 地球の歴史としくみ』

『一冊で読む 地球の歴史としくみ』(山賀進著;ベレ出版)
地学分野で調べ物をしたくてネット検索をすると,高い確率でこの著者のHPがヒットする。
山賀 進のWeb site
それだけ,情報豊富で多くの人に評価されているということだろう。
内容としては,タイトルのとおり。ただ,地球という広がりのあるテーマのさまざまな話題について,ちゃんと関連付けながら,理屈を示しながら,書かれている。「読ませる」良書。
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by h-asa78 | 2011-01-23 22:34 |

『電子書籍革命の真実』

『電子書籍革命の真実』(西田宗千佳著;株式会社エンターブレイン)
振り回されたくはないが,気にしないわけにはいかない。
まめに情報を追いかけるまではせずとも,まとまったものを時々読んで,現状を把握。
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by h-asa78 | 2011-01-19 23:21 |

『クモの糸の秘密』

『クモの糸の秘密』(大崎茂芳著;岩波書店)
著者は,コガネグモ約100匹から3カ月かけて集めたクモの糸で,ロープをつくり,そこにぶら下がるのに成功。
内容は,クモから糸を集めるための苦労話やクモの糸を科学の視点で分析した話。

クモの糸(牽引糸)は,2本のフィラメントからなるが,実は1本でも体重を支えられる。フィラメントの1本が切れてももう1本で支えられる。長い進化の中で,そのようなしくみになったようだ。
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by h-asa78 | 2011-01-19 22:44 |

『科学は誰のものか 社会の側から問い直す』

『科学は誰のものか 社会の側から問い直す』(平川秀幸著;NHK出版)
こちらも学生さんとの面会に向けての予習用。
帯に「科学は,専門家に任せるな。」とある。これはちょっと言い過ぎのような気がするが,同じく帯にある「STS入門の決定版」というのは,あるかもしれない。比較的最近の動きも踏まえながら,科学と社会との関係についての議論が展開されている。特に大学に「科学のよろず相談所」としてサイエンスショップをつくるという話は,知らない動きだったので興味深かった。
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by h-asa78 | 2011-01-07 23:55 |

『科学ジャーナリズムの世界』

『科学ジャーナリズムの世界』(日本科学技術ジャーナリスト会議編;化学同人)
科学コミュニケーションや科学と社会との関わりについて関心をもち,就職活動を始めようとしている学生さんに会う機会があった。それに向けての予習用に購入。

読んだのがかなり前なので,記憶があいまいだが,全編通して「科学ジャーナリストの役割は大きい」という話ばかりだったような。。。
科学ジャーナリズムの世界という書名通りの内容ではあるのだが。
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by h-asa78 | 2011-01-07 23:35 |



読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。
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