6畳の図書室

カテゴリ:本( 335 )

『iPadで教育が変わる』

『iPadで教育が変わる』(矢野耕平著;株式会社毎日コミュニケーションズ)
塾を運営している,そしてデジタル教材にあまり馴染みのない著者が,取材と研究授業をおこなって書いたもの。特に急進的な推進派でも否定派でもないところからスタートしていて,非常にフェアな議論が展開されている。
著者は,デジタル教材による時間短縮や画像・動画の活用による理解のさせやすさというメリットを挙げる一方で,学校での先生やほかの生徒とのつながりがなくなる可能性を憂慮する。
そして,デジタル教材の万能性を前提として急激な改革やモデル校での実践により,子どもたちを実験台にするような流れを否定する。慎重であれ,と。
「デジタル教科書を導入しようが,実際の教育現場で指導する人間は変わらない。そして,長い時間をかけてつ使われてきた学校独自の文化を無理やり変えてはならないのだ。~デジタル教科書配備に向けての準備段階で,教育現場の人間,子どもたち長年触れ合い格闘してきた人間の意見を多く取り入れることが重要」

現状はこのようにはなっていない。
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by h-asa78 | 2011-01-06 23:12 |

『粘菌 その驚くべき知性』

『粘菌 その驚くべき知性』(中垣俊之著;株式会社PHP研究所)
イグ・ノーベル賞受賞ということで,どんなものかと思えば,意外にも(?)真面目な研究。
ただ,粘菌という対象そのものが面白いからということなのだろう。
粘菌の知性をもっているかのような(むしろ粘菌も集団として知性をもっていると考えるべきかもしれないが)性質をモデルで説明するところが面白いと思うのだが,モデルをちゃんと理解しようと思うとなかなか難しいところも多い。ただ,研究の一端をうまく新書にまとめていると思う。
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by h-asa78 | 2011-01-06 22:46 |

『神様のカルテ2』

『神様のカルテ2』(夏川草介著;小学館)
地方病院で働く医師の話。前作に続き,温かく心地よい。
「良心に恥じぬということだけが,我々の確かな報酬だ」
良心に恥じず,この言葉を言えるように仕事をしていきたい。

カバーをはがして見られる表紙の山の絵がまた美しい。
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by h-asa78 | 2011-01-05 22:37 |

『熱力学で理解する化学反応のしくみ』

『熱力学で理解する化学反応のしくみ』(平山令明著;講談社)
化学に出てくる熱力学の話が,なかなかしっくり来ない。
式と現象がうまく結びつかないのである。計算するとこうなる,といっても,意味するところがイメージできず,わかった気になれない。
この本は,エンタルピー,エントロピー,ギブスの自由エネルギーを,ミクロの視点も混ぜながら解説。人間社会の話も比喩として多用。とにかくわかった気にさせるように書かれている。
#比喩といっても,著者は科学の法則が人間社会にも適用できるという発想からこれらの比喩を挙げているようだ。

ほかの著書『暗記しないで化学入門』も良かったが,これも良い。
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by h-asa78 | 2011-01-05 21:35 |

『生物学を開拓した人たちの自然観』

『生物学を開拓した人たちの自然観』(竹内均著;ニュートンプレス)
生物学者の簡単な伝記集。
有名どころをひととおり,まとめている。
ただし,「生物学を開拓した人たち」なので,全体に少し古い人物が多く,20世紀前半までの話がメイン。
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by h-asa78 | 2011-01-05 21:14 |

『「理工系離れ」が経済力を奪う』

『「理工系離れ」が経済力を奪う』(今野浩著;日本経済新聞出版社)
タイトルに魅かれて購入したが,ちょっと思っていたのとは違った。
結局,理工系といっても著者の専門である「金融工学」がメインのお話で(というか,著者のこれまでの経験談を中心にしたエッセイ),基礎科学寄りの研究分野とか少し違う分野になると話が変わってくるように思う。
また,系統立った議論という感じでもない。
読みやすいし,主張の何がおかしいというつもりもないが,あまり共感もできず。
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by h-asa78 | 2011-01-05 01:15 |

『晩夏に捧ぐ』

『晩夏に捧ぐ』(大崎梢著;東京創元社)
『配達あかずきん』と同じ「成風堂書店事件メモ」シリーズ。こちらは長編。しかも出張編ということで,書店っぽさが少し薄れている。
さらにこちらは死人も出る。といっても,ずっと昔の事件なので,あまり血なまぐさくはないが。

これはこれで面白いが,やはり書店が舞台という設定がよいのだと思う。
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by h-asa78 | 2011-01-05 01:02 |

『配達あかずきん』

『配達あかずきん』(大崎梢著;東京創元社)
元書店員による書店を舞台にしたミステリーの短編集。
身近な謎,というわけでもないが,人の死なないミステリーというところが好みに合った。
暗号解読で書店のミステリーらしさが発揮された「パンダは囁く」
源氏物語と絡めた「標野にて 君が袖振る」
後半の犯人を取り押さえるシーンが漫画のような「配達あかずきん」
ラストが温かい恋愛物「六冊目のメッセージ」
意外な真相が心地よい「ディスプレイ・リプレイ」
それぞれによさがあり,別の作品も読みたくなる。
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by h-asa78 | 2011-01-05 00:56 |

『日本語作文術』

『日本語作文術 伝わる文章を書くために』(野内良三著;中央公論新社)
知人のすすめにより購入。
芸術的な名文ではなく,伝えたいことが伝わる,わかりやすい文章の書き方についての本。
語順の決め方,読点の使い方,「は」と「が」の使い分け,定型表現の活用,普段なんとなくやっていたことについてどのように気を配ればよいか,非常に参考になった。
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by h-asa78 | 2010-09-22 23:47 |

『人物で語る化学入門』

『人物で語る化学入門』(竹内敬人著;岩波書店)
人物で語る,とあるが,基本的には化学の入門書。高校生の読み物にちょうどよいぐらいの内容。
話題の最後に,関係する化学者の生い立ちに簡単に触れられているのが「人物で語る」の部分のようだが,人物と化学の結びつきは今一つで,タイトルはちょっと合っていないように感じる。
ただ,日本人研究者の話題や超分子・ナノテクノロジーなど高校化学では扱われない最近の話題にも触れられているのは良い。また,話題豊富なはずなのに,コンパクトにまとまっているのも,多くの本を書いている著者の実力によるものだと思う。
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by h-asa78 | 2010-09-21 23:49 |



読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。
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