6畳の図書室

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『日本人のしつけは衰退したか』

『日本人のしつけは衰退したか 「教育する家族」のゆくえ』(広田照幸著;講談社)
職場の後輩のおススメ?の広田照幸。
「最近の親は子どものしつけができていない」という主張が妥当かどうかを検証したもの。
明治時代から戦前・戦後,高度経済成長の時代と,それぞれの時代でどのような「しつけ」が行われていたか,記録をもとに検証。ポイントは階層ごとの違いに注意しているところ。

日本がまだ貧しい国だった頃は,親は生活に精一杯でしつけどころではなかった。
その分を地域のネットワークでフォローしていたが,悪いことを学ぶこともあり,必ずしもそれが良かったとは言い切れない。また,しつけといっても,ほかでは通用しないその村のローカルルールを学ぶに過ぎないという面もあった。
都会へ奉公に出て,奉公先でしつけられたという主張もあるが,一方で酷使も虐待もあったようだ。
つまりは,過去は美化されがちという話。
また,「昔は良かった」という主張をする論者は,上流の階層の出身者で上のような実態を知らなかったということもある。

時代の変遷とともに日本が豊かな国になると,地域のネットワークがなくなる一方で,「親の責任」が強調されてきた。
その結果,少年事件が起これば「家庭でのしつけに問題がある」という主張がされ,「しつけに失敗してはいけない」と親の不安は大きくなっていく。
しかし,実際のところ,少年事件は昔よりも少ないし,質も言われるほどは違わない。
時に,いじめの質が変わったと言われるが,事件・ニュースになるようないじめと論者の身の回りで起こったいじめでは,比較する意味がない。
つまりは,「家庭のしつけに問題」→「非常識な子ども」というわかりやすいストーリーが広まっているだけで,きちんと資料をもとに分析されたわけではない,と。
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by h-asa78 | 2008-12-30 16:02 |

『子どもを理科好きにする 科学偉人伝60話』

『子どもを理科好きにする 科学偉人伝60話』(菅谷正美監修・山口晃弘編著;学事出版)
2ページ見開きで,科学者の伝記をまとめていった本。
学校の授業で使えるようにということで,比較的メジャーな科学者が中心。
出ている話題自体は定番のものが多いが,定番の話がまとまっているとも言える。
ただ,何人も分担で書いたものをわりとそのまま載せているのか,質にばらつきがある。
よく書けているものがある一方で,そうでないものも少々。文章がおかしかったり,「プトレマイオスの地動説」という初歩的な校正漏れも。
おもに教員向けの本のはずなのに,なぜか子ども向けの書き方になっているものも混ざっている。
アボガドロ・ドルトン・シャルル・カローザス・ボイル・・・理解できない配列。
恐らく,バラバラにできた原稿をまとめただけで,全体に目を通すという作業が抜けていたのだろう。

ほかにも,恐ろしく画質の悪い写真が載っていたり,まだ生きている科学者にだけ顔写真がイラストになっていたり・・・理由を想像すると,ちょっと恐い。
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by h-asa78 | 2008-12-29 00:22 |

『そこが知りたい 天文学』

『そこが知りたい 天文学』(福江純著;日本評論社)
「大人のための科学」シリーズ。
このシリーズの『高校で教わりたかった化学』が良かったので,こちらも購入。
久しぶりに,天文の話全体をおさらいした。
太陽系の惑星の名前の語源や星座名の表記など,あまり気にしていなかったことにまで触れられていて,読み物として面白い。
また,比較的最近の研究までフォローされているのもありがたい。

ちょっと心配なのが・・・高校の教科書をスキャニングしたと思われる図版が載っていること。
ちゃんとした出版社がシリーズで出している本なので,無茶はしていないと思うが。。。
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by h-asa78 | 2008-12-28 02:25 |

『Focus in the Dark 科学写真を撮る』

『Focus in the Dark 科学写真を撮る』(伊知地国夫著;岩波書店)
科学写真とその撮影をどのようにやったかの解説。
大月書店の「びっくり、ふしぎ 写真で科学」シリーズで掲載済みの写真ばかりだったので,ちょっと後悔。
#このシリーズを持っていない人には,面白い写真いっぱいだと思うが。
撮影方法については,使う機材などプロ向けの話が多いなあというのが正直な感想。
素人向けの科学写真の入門書を期待していたので,やはり後悔。

この本が悪いのではない。中身を確認せずにamazonで購入したのが,失敗の原因。
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by h-asa78 | 2008-12-27 23:47 |

『文明開化の数学と物理』

『文明開化の数学と物理』(蟹江幸博・並木雅俊著,岩波書店)
岩波科学ライブラリー。いろいろ変わったテーマの本が出てくる。
幕末から明治にかけて,数学・物理が日本に定着するまでの物語。
数学は高木貞治,物理は長岡半太郎の登場が,1つの到達点とされている。
そこに至るまで,研究そのものよりも,東京数学会社(現在の日本数学会と日本物理学会)の設立や東京帝国大学の教育・研究,用語の翻訳などに奔走する科学者たち。
彼らの活躍があって,今の日本の科学がある。

知らなかったのだが,かつては福沢諭吉による物理ブーム(窮理ブーム)があったらしい。
福沢諭吉に理系のイメージをもっていなかったので意外。
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by h-asa78 | 2008-12-26 00:14 |

『アートのための数学』

『アートのための数学』(牟田淳著;オーム社)
光や色,音,CGなど,芸術に関わる物理や数学についての解説。
#著者は大学の芸術学部に所属。
よく聞く話も多いが,わかっているつもりで深く考えていなかったことが丁寧に説明されていて,なかなか勉強になる。
上下の楽譜が鏡像になるバッハの逆行カノン(蟹のカノン)や,黄金比・白銀比を美しいと感じる人が実際に多いということを示した調査結果など,発見もいくつか。
#日本人は,黄金比の長方形よりも白銀比の長方形や正方形の方が,美しいと感じるらしい。
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by h-asa78 | 2008-12-22 22:21 |

『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』

『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』(森達也著;角川書店)
報道とドキュメンタリーは違う。
ドキュメンタリーは,事実を素材にはするが,作り手の映像作品。
人は,カメラを向けられると,演技をしてしまう。
演出・やらせ・ありのままの事実,その境目は曖昧。
この本では,ドキュメンタリーの歴史・過去のさまざまなドキュメンタリー作品や映画をもとに,その曖昧さを明らかにしていく。

逆に報道の側から見ても,その曖昧さがわかる。
著者は「A」「A2」でオウム真理教教団の近くにいた。
そこにいたのはごく普通の人たち。
しかし,その普通さは報道されず,報道されたのは異常性のみ。
「わかりやすく」,彼らは悪として報道された。

真実は知りえない。
できるのは,対象に対して関心を持ち続けることぐらいか。
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by h-asa78 | 2008-12-21 22:44 |



読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。
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