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6畳の図書室

『地球学入門』

『地球学入門』(鹿園直達著;慶應義塾大学出版会)
大学一般教養レベルの地学の教科書。
地球システムの考え方に立って構成されており,よくある地学の教科書とは少し違う切り口での展開・説明。
必要な概念を丁寧に解説しながらの展開で,独学しやすい。
複数の説がある場合には,両論併記されているところも教科書としてはよいところだろう。
良い本だと思う。ただ,書体の選択などはもう少し検討した方がよかったのでは?と思う。
# by h-asa78 | 2012-08-19 01:07 |

『書く力が身につくイギリスの教育』

『書く力が身につくイギリスの教育』(山本麻子著;岩波書店)
イギリスでの「書くこと」について学校での指導の紹介。
5歳~15歳の間,自分の子どもがイギリスでどのような指導を受けてきたかを,具体的な実例をもとに紹介。
実例豊富ではあるのだが,結局,各教科とも書くことの指導がされている,読ませる文章にするための指導がされている,といった話がずっと続くだけ。もちろん,学年を追うことで少しずつ変化はあるのだが・・・。
教師サイドでどのような判断がされているのか,指導法の問題点など,実例の紹介プラスアルファの調査や考察がほしいと思った。
# by h-asa78 | 2012-08-19 00:59 |

いい人いい出会い

小学生の頃,学校の授業の一環で近くの大学図書館を見学した。
その後,大学図書館とはいっても,市民に開放されているということで,利用証をつくってもらい,北海道を出る高校まで通うようになった。
そこで接した様々な本に書かれていたことが,その後の自分の知識の土台になっていると思う。
また受験生の頃は受験勉強で利用させてもらった。

当時はあまり意識していなかったが,大学図書館がそこまで学外に開放されているのは珍しかったらしい。
また,大学図書館の本はレベルが高く,市民に利用できるものではないという感覚もあったようだ。
そこで,敢えて学外に開放したというのは,その大学図書館の英断であったと思う。

先日,『北海道ルール』と同じコーナーにあった北海道の雑誌に,その大学図書館におられた司書の方が載っていた。
大学図書館を退職後,地元の市立図書館の館長になり,館長を辞めた後も「ふくろう文庫」という活動を続けておられる。
http://www.city.muroran.lg.jp/main/org9440/fukurou.html
HPも発見。「山下敏明さんのあんな本,こんな本」http://t-yamashita.info/
大学図書館の学外開放を進めたのはこの方の判断だったようだ。
また,図書館で顔を合わせるたびに「よぉ!」と声をかけていただき,時々雑談も。
今思うと,家族・学校以外で自分に最も大きな影響を与えた人の1人だろう。
なつかしい人を思い出した。

ちなみに,彼が館長になって市立図書館の利用が大幅に伸びたらしい。
志ある人の力というのは大きい。
# by h-asa78 | 2012-08-19 00:50 | その他

『北海道ルール』

『北海道ルール』(都会生活研究プロジェクト〔北海道チーム〕著;中経出版)
駅前の大型書店に北海道関係の本を集めたコーナーがあった。そこで購入。
北海道の人間だけの常識を多数掲載。
この手の話は,たまに北海道出身の自分でも「そんな常識あるか?」と違和感を感じることもあるのだが,この本は比較的共感できるものが多い。
逆に北海道を離れて17年目の今,初めて「これは北海道だけだったのか?」という発見も。
たとえば・・・
バスや地下鉄の優先席に座らない。
赤飯には甘納豆(食紅で着色)。
「書かさんない」と「書けない」の違い。
キタキツネに触ってはいけない。
など。。。
#「炊事遠足」も北海道特有らしい?
一部,北海道というよりも札幌限定の話題もあるが,それらも札幌の人にとっては納得のものだろう。

この本では,北海道ルールには,さまざまな地域から集まった人たちがうまくやっていくための知恵が含まれるという視点に立っている。
古くからの習慣・しがらみよりも合理的な方法(赤飯で食紅を使うなど)や「なんもなんも」「なんとかなるっしょ」のスタンス。
自分が内地の人と話していて時々感じる違和感の一部は,自分自身北海道ルールでモノを考えていることがあるからなのだろう。
# by h-asa78 | 2012-08-19 00:16 |

『それは,密告からはじまった』

『それは,密告からはじまった』(土肥信雄著;七つ森世書館)
都立高校(元)校長と東京都教育委員会の対立。
左右のイデオロギーの対立の話かと思っていたが,読むと全然違う。
最初に書いているとおり,土肥校長のしてきたことは,左右の対立とは無関係の,ごく普通のことではないか。
#いや,普通よりもずっとよい先生というべきなのだろうけど。
教育委員会に批判的であっても,意見を表明しただけで,実際に方針に反することをしていたわけではない。
それにも関わらず,なぜ不利益を被るのか。
これを読む限り,どう割り引いて読んでも,教育委員会がおかしいとしか思えない。
# by h-asa78 | 2012-04-01 23:32 |



読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。

by h-asa78