『図書館ねこデューイ』(ヴィッキー・マイロン著・羽田詩津子訳;早川書房)
アメリカの小さな町スペンサーの図書館の返却ボックスに放り込まれていた子猫。その猫はデューイと名づけられ,著者をはじめとする図書館のスタッフに「図書館ねこ」として育てられた。
この本は,デューイが現れてから最期まで,いかに地域の人に愛され,著者の心を支えてきたかを描いたもの。アメリカでは有名な猫だったらしい。今の日本で言えば,和歌山県の駅長猫たまのような存在か。
図書館は,本来は本と触れるための場所である。ところが図書館ねこデューイは,来館者の心をつかみ,街の話題になるということで,それ以上の特別な場所にしたといえる。
とはいえ,猫好きとしては,デューイの振る舞いに関する描写が一番楽しい。