『漢方セルフメディケーション』
著者がつくりあげた「大自然医薬養生学」の解説。
つくりあげたといっても,東洋医学と西洋医学,薬学を著者の視点で関連づけて説明しているというものなので,それほど勝手な理論を作っているという感じはしない(東洋医学をよく知らないから気づかないだけかもしれないが)。薬学博士の著者なので,漢方の話ばかりというよりも,西洋医学,薬学の話題ともうまくつながれているように思う。
また,陰陽五行説についても,具体的な実践ともつながったわかりやすい説明がされている。前に読んだ『陰陽道とは何か』よりも,すっきりわかりやすい気がした。
漢方では,西洋医学のような「臓器」で体を見るのではなく,「機能系」という複合的なものを単位として体を見るらしい。初めから違う切り口での見方は面白い。