『脳ブームの迷信』
『脳ブームの迷信』(藤田一郎著;飛鳥新社)
先日,ニセ科学フォーラムというイベントで著者の講演を聞いた。 主に最近話題の「脳トレ」について,その科学的根拠の薄さを元になった論文をもとに批判していた。 わかりやすく面白い講演だった。 おもなポイントは2つ。 ・「脳の活動を活性化⇒脳機能の向上」というのは,飛躍している。 ・根拠にしている論文では,対照実験がちゃんとしていない。単純計算の繰り返しで高齢者のさまざまな能力が向上したように見えても,それは単純計算の影響なのか,実験者との交流の影響なのか,区別できない。 そして,主張している「脳科学者」自身,これらはわかっているはず・・・と。 本書はこれ以外にもう1つ。ギャバがストレス軽減に役立つという話への批判も。神経伝達物質を食べたからといって,脳に影響があるわけがない,という話。 「迷信」の批判だけではなく,脳科学が地道な研究の蓄積にもとづいているという話が書かれているのも,読み物として面白い。論争していた2つのグループが,標本を交換したり,スタッフをお互いのグループに送りこんで,研究をしたというエピソードは,非常に面白いと思ったのだが・・・薄い本なので,個々のエピソードがあっさり終わっているのが残念。
by h-asa78
| 2009-11-29 20:40
| 本
|
カテゴリ
以前の記事
2012年 08月
2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 07月 2011年 01月 2010年 09月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||