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6畳の図書室

『「英語が使える日本人」は育つのか?』

『「英語が使える日本人」は育つのか?』(山田雄一郎・大津由紀雄・斎藤兆史著;岩波書店)
サブタイトルは「小学校英語から大学英語までを検証する」。
文科省による「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」への批判。
日本人全員(中学卒業時点)が日常的な挨拶や応対を英語でできる,というレベルを求めることが本当に意味あることなのか,そのために危機感を煽ることが適当なのか。
表面的な英会話の力を育てるために,小学校英語で英語の決まり文句を暗記させることにどれほどの意味があるのか。
それよりも,母語である日本語を利用して「ことばの力」を育てておいて,それを土台に英語力を育てるべき,というのが主張のよう。母語を使う力を利用することで,英語の学習もしやすくなると。

感覚的にはこの本の主張はよく共感できる。ただし,小学校英語の先行事例にそれほど肯定的な評価がないという指摘をしているわりに,本書の主張についても具体的な実践事例があまりないので,「英語教育の専門家」の提案としては,ちょっと物足りない。
by h-asa78 | 2010-01-31 21:34 |
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読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。

by h-asa78