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6畳の図書室

『生協の白石さん』

『生協の白石さん』(白石昌則,東京農工大学の学生の皆さん著;講談社)

話題の本に手を出してしまった。
ほっとしたい,笑いたい,そんな事情に迫られて(?)
「白石さん」のあたたかく,粋な返答は期待通りだった。

読んで思い出すのが,数年前にノーベル賞をとられた田中耕一さん。
本人としては,職務として普通に行っていたことが,思いがけない脚光を浴びる瞬間。
田中さんがあくまでも企業研究者として振舞っていたのと同様,「白石さん」の「ひとことカード」への返答や本書の書き下ろしエッセイは,決してうけを狙うのが目的ではなく,生協の一職員としての(謙虚すぎるとも思える)言葉で書かれている。
恐らくは皆,そこに「誠実さ」「あたたかさ」を感じるのだろう。

思い出すと,自分の出身大学の生協にも「ひとことカード」があり,やはり学生と生協職員とのおかしなやり取りが時々見られた。
売り手と買い手の距離の近い,大学生協らしい現象。

「ブログ→出版」という形態は,もう定着しているのであろうか。
それともブログというものが,はやりだした今だけの,一時的なものに過ぎないのであろうか。
もともとデジタルで無料のものを本という形で売り物にすることができる,というのは不思議と言えば不思議である。
by h-asa78 | 2006-01-11 01:19 |
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読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。

by h-asa78