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6畳の図書室

『全国学力テスト、参加しません。』

『全国学力テスト、参加しません。』(犬山市教育委員会編;明石書店)
犬山市の教育改革を解説し,なぜ文科省の学力テストに参加しないかをまとめたもの。
本書に書かれた犬山市の教育改革の要点は,キーワードとして帯にうまくまとめられているので引用する。
「義務教育本来の姿を示すまっとうな教育改革 競争vs学び合い
自ら学ぶ力,学び合い,習熟度別でない少人数授業,副教本作成,学校の裁量による授業づくり・学級づくり,教師の自己改革と学校の自立,教育の地方自治」
まず根底に,「犬山の子は犬山で育てる」という理念がある。教育の地方自治を主張するにふさわしい理念である。
そのための改革の方針が「学びの学校」づくりである。具体的には,少人数制と学び合いの2本柱で授業がすすめられる。これを実現するために,教務主任,校務主任にも担任をもたせ,さらに講師を増やすなどを行った。なお,教務主任,校務主任としての仕事は支援員がフォローしている。また,一人一役の校務分掌で,会議の負担を軽減するなど,学校運営の改革もされているらしい。
#ここでの「支援員」は,校長・教頭経験者がなるなど,極めて現実的。
#理科支援員のように,素人でも入れるという訳ではない。
さらに,同僚性を活かして教師側の力量を上げているというのも重要。
たしか大瀬校長の「いのちの授業」が話題になった浜之郷小学校でも,学び合いや教師の同僚性というのが重視されていた記憶がある。
他でもこのような教育改革が行われているのかはわからないが,この辺りが現在の国の教育改革の流れに相対する流れということになるのだろうか。
by h-asa78 | 2007-05-06 02:31 |
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読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。

by h-asa78