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6畳の図書室

『いまここに在ることの恥』

『いまここに在ることの恥』(辺見庸著;毎日新聞社)
この人の本は,何冊も読んできたが,いまだにうまく消化できない。
とにかく自分の偽善的な部分をえぐられる(著者自身もえぐっている)感覚になるばかりで,なんとも落ち着きどころがない。
#そもそも読者を落ち着かせるために書かれた本ではないのだけど。

比較的最近のことで言えば,教育基本法が変わった。
そのとき,教育基本法を変えるのはおかしいと思いながら,何か行動をとったわけではない。
行動をとらないまま,教育基本法が変わった。そのときにわずかに感じた(情けないことにわずかにしか感じなかった)後悔に似た感覚,あれが「恥」であろうか。
ただ,この本にも出てくるチョムスキーなら,こう言うかもしれない。
「教育基本法が変わったことなど些細なことだ。以前から日の丸君が代は強制されていたし,心のノートも全国に配布されている。」
・・・いや,もっと救いようのない言い方をされるか。
by h-asa78 | 2008-10-13 18:45 |
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読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。

by h-asa78