人気ブログランキング | 話題のタグを見る

6畳の図書室

『瓦礫の中から言葉を わたしの〈死者〉へ』

『瓦礫の中から言葉を わたしの〈死者〉へ』(辺見庸著;NHK出版)
震災について,ずっと疑問に感じていたことがある。
多くの死者・負傷者が出て,あちこちに惨状が広がっていたはずだ。
さすがにテレビで大々的に報道するのは難しいと思うが,報道関係者が目にしていないとは思えず,いずれ流出して大きな問題になるのではないかと。
しかし,幸いにもというべきなのだろうが,そのような事態にはなっていない。
#あったのかもしれないが,話題になっていない。
これが日本人の良識というものであれば,喜ぶべきことなのかもしれない。ただ・・・。

本書にはいくつかの話題があるが,特に気になったのは,「下からの統制」という言葉。
ナショナリズムとはまた違う。「空気を読む」ことが強制力をもつ状態ということか。
震災以前から少し感じていたことではあるが,腑に落ちる表現。
# by h-asa78 | 2012-04-01 01:13 |

『福島の原発事故をめぐって』

『福島の原発事故をめぐって』(山本義隆著;みすず書房)
原発事故をめぐって,というタイトルだが,内容は福島の事故を追及するというのではなく,日本の原子力行政そのものがテーマ。
日本の原子力発電所建設は,潜在的な核保有国になるため,というのが大きな理由であった。エネルギー供給よりも外交的な影響力をもつのが目的だったようだ。これは著者の個人的な主張ではなく,当時の関係者の発言に基づいている。
また,廃棄物処理や電力会社の運転至上主義などの問題点を,自然科学の視点や過去の事故事例などをもとに指摘。
本編だけでは100ページに満たない本だが,原子力発電の問題点を事実をもとに明確に指摘されており,感情的な「脱原発」の主張とは一線を画している。

ついでながら,震災から1年ということで。
日本赤十字社
当然ながら,今も義援金は受付中。
# by h-asa78 | 2012-03-11 21:29 |

『山はどうしてできるのか』

『山はどうしてできるのか』(藤岡換太郎著;講談社)
山ができるしくみの説明を通して,プレートテクトニクス・プルームテクトニクスを解説。
1つのテーマに沿った展開というのは,偏ってはいるが教科書にはない部分が丁寧に議論されているので,新鮮である。
京都の東山がどのようにしてできたのか,など,身近でも考えたことがなかった。そして,鯖街道と関連も。どちらも,花折断層が関係している。
# by h-asa78 | 2012-02-26 22:25 |

『相対性理論』

『相対性理論』(杉山直著;講談社)
学生の頃,著者の一般相対性理論の講義を受けた。
4回生向けの講義を背伸びするつもりで3回生のときに受けたが,それでも「わかったつもり」になれる講義だった。
その先生の本,しかも高校復習レベルから,ということで,安心して購入。
専門的に勉強するつもりもないので,極力数式は追わず,あらすじを味わうつもりでさらっと読んだ。
1章あたりが短く,潔く要点をしぼった構成。そして,イメージしやすい例示。また,背景などもおさえながらの解説は,それぞれの式の位置づけを理解する助けになる。
とはいえ,相対性理論をさらっと理解,は難しかったようだ。10年以上前の講義の記憶をよびさますぐらいのつもりだったが,あまりうまくいかず。また機会を改めて,数式を追いながら,問題も解きながら,じっくり読みなおしたい。
# by h-asa78 | 2012-02-26 02:26 |

『FREE』

『FREE』(小川忠洋著;アスコム)
サブタイトルは,「フリーで利益を生み出す45の鉄則」。
FREE戦略のさまざまなアイデア。
中途半端にやるのではなく,ある程度思い切ってやらなければならないらしい。
読めばなるほどと思えるのだが,実際にできるかどうかは,ある程度自信が必要だろう。
# by h-asa78 | 2012-02-25 13:08 |



読みっぱなしではなく,なんらかの記録を残そうと思いました。書評としてご覧ください。

by h-asa78